『海辺のカフカ』の読書感想文【すべてがある種の「予言」であるということ】

クリスタルと緑

今回は『海辺のカフカ』(村上春樹著)の読書感想文です。

『海辺のカフカ』は村上春樹さんの長編小説では10作目にあたる作品で、2002年に刊行されたものです。(僕が読んだのは文庫の方で、そちらは2005年とのこと)

僕の好きな『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』のある種の続きという要素があるみたいなことを何かで村上さんが話していたような気がしますが、どうだったかな。
(ちなみに関連する部分は確かにありますが、物語は全く別ものです。)

では前置きはこのくらいにして、『海辺のカフカ』の読書感想文、いきましょう!

※以下の感想ではあらすじを少し紹介してありますが、できるだけネタバレのないよう書いています。

『海辺のカフカ』の読書感想文

- すべてはある種の「予言」だ -

『海辺のカフカ』は、同じ世界、同じ時間に起こる、密接に関わりあっていく2つの物語を軸に展開される。

1つは田村カフカ君という、幼いころに母親に去られた15歳の少年の物語であり、もう1つはナカタさんという幼いころの「事件」によって字を読むことができなくなった(その替わりに猫と話ができる)おじさんの物語だ。

設定からしてのっぴきならない現実を背負うこの2人は、物語が進むにつれ、よりのっぴきならない状況に追い込まれ、あるいは導かれる。

カラスと呼ばれる少年、父親からの予言、さくらさん、甲村記念図書館、大島さん、佐伯さん、引率の先生、ジョニー・ウォーカー、星野さん、カーネル・サンダース、愛欲の四輪駆動、入口の石、2人の兵隊、森の奥深くにある場所、、、

そういった登場人物(や場所)を通り抜け、あるいは呑み込んで、2人は変化し、世界はその「あるべき姿」へと帰っていくー

「ある状況」というのは、どうしようもなく「その状況」なのだと思う。

僕が僕であること、カフカ君がカフカ君であること、ナカタさんがナカタさんであること。

それを取り巻く状況が、その状況であること。

過去がその過去であり、今がこの今であること。

どうしようもなく、そうなのだ。

そしてそれは時に、受け入れがたい-どうしようもなく。

すべてはある種の「予言」だと言えないか。

遺伝子が、生まれ育った環境が、経験したすべてのことが。

それらがある種の「予言」となって、今の僕らを規定する。

僕らは規定されて、今のように存在しているのだ。

その意味で、僕らは「どうしようもなく」今、このように存在している。

良いことも、嫌なことも、起こるべくして起こっている。

僕らに何ができるだろう?

という問いは適切か。

すべて規定されているのなら、「自分で何かを選ぶ」ということは、選んでいるように見えて、そうではない。

選択とは自由であるように見えて、そうではないのだ。

「良いとき」はそれでかまわない。

幸せなら、選択はどうだっていい。

しかし「悪いとき」は?

すべて予言に規定されているとして、

すべて起こるべくして起こっているとして、

「悪いとき」とは何なのか。

「僕ら」とは何なのか。

「人生」とは。

「世界」とは。

それを「仕方のないこと」だとするのは、静かな絶望か、あるいは希望か。

-そうしないわけにはいかなかった-と佐伯さんは言った。

過去はいつだってそうだろう。

ふり返れば、そこには予言通りの過去が見える。

だが未来はどうか。

どう決まっていてほしい?

どんな予言が成就されたい?

それを予言通り選んでいるとして。

それを予言通り望むとして。

今、僕はそれを知らない。

だから、

風の歌を聞くんだ。

絵を眺めるんだ。

そして、あなたが幸せでありますように。

後書き

読んでいただいてありがとうございました!

世界で一番タフな15歳の少年をめぐる、『海辺のカフカ』の物語。

こちらです。

読むのは2回目だと記憶しているのですが、とても面白かった、というか、2回目なのにほとんど内容覚えてなくてびっくりしました!(おかげでより楽しめたかも笑)

直感が「海辺のカフカ!海辺のカフカ!」とすごかったので読んでみたら、今回感想に書いたことも含め、今の自分にしっくりくる描写がたくさんあり、読んでよかったとしみじみ思いました。

そして、久しぶりに読書感想文(というかなんというか、書いてたら、今回は詩みたいになった)を書いてみたけど、これもまた楽しかった!

読後のふわふわした感想を、直感に任せて言葉にしていっているのですが、そこに現れたのはまさに僕にとって重要なメッセージになっていたりします。

文章的には全然上手じゃないとしても、こうやって思ったことを文章化すると何かが変化しますね。良い方向に。

まぁ書いている最中はね、うまく言葉が出てこなくて苦しい時もありますが、しんどくてもダメでも、書ききると何かしらは見えるというか。

ちなみに、カテゴリーの名前を「読んだら感想書くって決めた」にしてあるんですが(2018/8/4現在)、この1年、全く書けなかった、、、orz

覚えてる限りでは、

ジュール・ヴェルヌの『神秘の島』とか(最高でした。本当におもしろかった。大好きです)

野坂昭如さんの『てろてろ』とか(これはやばかった。スカトロジストとか笑)

千夜一夜物語とか(おもしろかった ←この感想笑)

星新一さんの『ボッコちゃん』とか(美しく、深く、短く、ブラック)

トルストイの『トルストイの民話』とか(深かった)

これもトルストイの『戦争と平和』とか(半端じゃなく長かった)

後何読んだっけな、、、他にもおもしろいのいろいろと読んだんですが、、、子育てと仕事とで精一杯でもうね、感想書いてる時間なかった、、、

悔しいですが、これからまた書いていければと思います。

そういえば昨日、2歳8か月を過ぎた娘に、『としょかんライオン』という絵本をプレゼントしました。

これです。

でもね、ちょっと内容的に早かったみたいで、あまり楽しそうではなかった。

同じ日に買ってあげた魚釣りのおもちゃはとても楽しんでいるのでよかったけど、でも残念、、、orz

まぁ、それも予言通りか。仕方ない。

きっといい方向に進むはず。

そういう風に決まっていてほしい。

そういう風に決まっているがごとく、生きたい。

そのように「予言通りに」思っております(笑)

さて、じゃあそろそろ心を静かにして、風の歌を聞こうか。

※記事冒頭の画像は、作る余裕ができたら差し替えます。
とりあえず、文章を書いたので熱いうちに更新!

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【 書いた人 : はるこん(halcon) 】
【 書いた人 : はるこん(halcon) 】
3歳になった娘と妻との日常と、読んだ本の感想を書き留める30代後半。
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』(村上春樹著)や『旅をする木』(星野道夫著)、『モモ』(ミヒャエル・エンデ著)が好き。
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